ルーマニアのレンダラー

ルーマニアのレンダラー

建築家から建築ビジュアライゼーション アーティストに転身したブカレスト スタジオの創設者ルシアン・ラコビタンが、3Dと物事を考え出すことの美しさについて語ってくれました。

ビャルケ・イングレス・グループによる深圳のオペラハウスの案 
ビャルケ・イングレス・グループによる深圳のオペラハウスの案 
https://www.lucianr.com/shenzhen-opera-bjarke-ingels-group2

これは写真ではありません。 これは、ルーマニアに拠点を置く建築ビジュアライゼーション会社である ブカレストスタジオ の創設者、ルシアン・ラコビタンによる 3D レンダリングです。 ルシアンの大抵の作品は非常に写実的であるため、見た人はこれらの作品が、人生の大半を3D制作に捧げてきたアーティストによって作られたのだと思ってしまいます。

しかし、実際にはそうではありません。 ルシアンは今では 3D のプロ (むしろマスター) かもしれませんが、3D の専門家になるつもりはありませんでした。 ルシアンは訓練を積んできた建築家であり、3D ビジュアライゼーションの仕事をフルタイムにする前は、世界中のさまざまな場所 (日本、アブダビ、コペンハーゲン) で少なくとも 10 年間建築の腕を磨いていました。

彼がどのようにして 3D を使い始めたのかという話は、武勇伝というよりはコメディーでした。彼がまだ建築事務所で働いていた頃、彼の同僚が彼に 3D レンダリングのタスクを渡してきたのですが、その頃彼にはスキルや経験は全くなく、ましてや3Dが好きというわけでもなかったのですが(少なくとも最初は好きではなかったようです)、彼ができそうという理由だけで仕事を渡されたのです。 「オフィスの人たちは私を見て、クールなメガネでクールな音楽を聴いてるから、『彼なら 3D ができるかもしれない』と思って私に声をかけてきたのです」とルシアンは言いました。

最初は気が進まなかったかもしれませんが、ルシアンは 3D レンダリングの制作を好きになっていきました。 「レンダリングは自己表現の一つの形態であり、素晴らしいと感じます」とルシアンは言います。

言うまでもなく、ルシアンの建築業界でのバックグラウンドは、彼の 3D プロジェクトに確実に役立ちます。 建築設計は、主に曲線、直線、およびマテリアルが光の動作に大きく影響するため、レンダリングに大きな影響を与えます。 3D レンダリングに関しては、光がすべてです。 例えば、真っ直ぐなガラス窓があり、その前に木がある場合、木のみが反射されます。 しかし、湾曲したガラス窓がある場合、環境内の他のオブジェクトが反射するため、それに対処する必要があります。 次に、外装のディティールもモデル化する必要があります。 「複雑なレンダリングに取り組むのは価値があります」とルシアンは言います。 オフィスでクールに気取っていた若者はこうして長い道のりを歩んできました。

ノヘッタ&ビンストによるセンターモネ/ムンセントラムブリュッセル再デザインへの提案
ブカレストスタジオがレンダリングし、コンペを獲得したスノヘッタ&ビンストによるセンターモネ/ムンセントラムブリュッセル再デザインへの提案。. https://www.lucianr.com/snohetta-binst-centre-monnaie-muntcentrum

驚くほど美しい 3D ビジュアルを生み出すルシアンは、作品を鑑賞する際に独特の視点を持っています。 ルシアンにとって、デザインが構造的に非常に複雑だからといって、その 3D レンダリングも複雑にする必要はないと言います。 彼にとって、すべてのレンダリングには独自のニーズがあり、アーティストはそのニーズに応えていくものなのです。 普通の駐車場のレンダリングでも、深圳のオペラハウスのレンダリングと同じくらいルシアンには魅力的です。なぜならルシアンは、駐車場のような比較的単純なレンダリングでさえも、技術、決定事項、およびプロセスなどを理解し、高く評価しているのです。

ルシアンは企画書に関係なく、そして必ずしも美的に好きでなくても、プロジェクトにおいて好きになれるものをいつでも見つけることができます。 「すべてのプロジェクトが同じように好きというわけではありませんが、それぞれで行うレンダリングは気に入っています。 すべてのプロジェクトが美的に満足できるわけではありませんが、プロジェクトにおいて好きな側面を見つけることができます。 同様に、それは人間関係などのコミュニティにとっても良い考え方かもしれません」とルシアンは言います。

美学において、優れた 3D レンダリングを作成するためのポイント にルシアンが気付きました。それは細心の注意を払って作成したモデルでも、派手なテクスチャでも、高度なライティングでもありません。 ルシアンにとって、リアルで自然な 3D レンダリングを作る鍵はホワイトバランスです。

「それは雰囲気を作ることも壊すこともできます。15 分で簡単なレンダリングを作成できる人もいますが、そういう人はホワイトバランスを制御する方法を知っているため、非常にリアルで美しい外観にすることができます。 ホワイトバランスはカメラに内蔵されているので、簡単に設定できます。 見過ごされがちですが、非常に重要です」とルシアンは言いました。 彼は訓練を積んだ建築家であり、建築ビジュアライゼーションアーティストですが、ルシアンは間違いなく写真家の目も持っています。

エクスプレス・ビルディング・ロンドン/ビャルケ・インゲルス・グループ
ブカレスト スタジオがレンダリングを作成した、エクスプレス・ビルディング・ロンドン/ビャルケ・インゲルス・グループ。
https://www.bucharest.studio/stills?itemId=db36urs5l6nt8393ewi0nypjtc9k7e

ルシアンが複数のクライアントに対してこのような素晴らしい作品を提供することに対し、レンダリングをより効率的に完了するために、シーンとプロセスを最適化する特別な方法を持っていると思われるかもしれません。しかし、またルシアンは私達を驚かせませす。 ルシアンと彼のチームは、自分たちの会社の前に建築ビジュアライゼーションの会社で働いたことがなかったため、常に自分たちで物事を考え出さなければなりませんでした。 「自分たちのしている方法が正しいかどうかはわかりませんし、すべて間違っている可能性もあります。 しかし、私たちのプロセスを他のものと比較することができないので、なにが効率的に最適化されているかわからないのです。」とルシアンは言いました。

モデリング、テクスチャリング、アニメーション、その他の 3D デザインの側面において、ルシアンと彼のチームは常に自分で物事を考え出さなければなりませんでした。 しかし、レンダリングに関して言えば、ルシアンにはレンダーファームと 24 時間年中無休で助けてくれるサポート チームがいました。

「GarageFarm は最高です。 私がガレージファームを褒めたところで何かメリットがあるわけでもないですが、単に素晴らしいのです。 特に 24 時間年中無休のサポートはとても良いです。」とルシアンは言ってくれました。 「24 時間年中無休のサポートは、私にとって最高のものです。何か問題が起きて混乱しているときに誰かに相談できることが、どれほど安心できることかわかるでしょうか。それは最強です。」

ルシアンは、GarageFarmの24 時間年中無休のサポートチームの技術的スキルだけでなく、ユーザーが直接コンタクトして相談できることも高く評価しています。 以前、ルシアンがレンダリングの問題についてサポートチームにライブチャットで相談している時、ウィーン のD2 カンファレンスのことが話題に出ました。 「彼らは自分たちも参加すると言っていて、私たちも行くことになっていたので、そこで会ってビールを飲もうということになりました。こういう感じは最高だと思います」とルシアンは思い出して教えてくれました。

24 時間年中無休で3Dエキスパートのサポートチームが対応してくれることは、ルシアンがレンダーファームでレンダリングする際に一番重要だと思っているメリットです。彼にとって、独自のレンダーファームを構築することはほとんど無意味です。なぜなら、すべてのハードウェアを購入できても、メンテナンスの時間、労力、人的コストが多くかかるからです。「それは自分の歯を治すために自分で歯科医になるようなものです。自分で歯を治そうとするのは無駄な努力です。」

GarageFarmでプロジェクトをレンダリングしてみたい方は、こちらからサインアップすれば無料のクレジットをゲットして始めることができます。

Lucian と彼のチームは、主に 3ds Max を使用しています。 ルシアンの作品の詳細は、こちらこちらをご覧ください。

関連記事

live chat